RADWIMPS/「棒人間」
── 静かな覚悟が胸を打つ、“名もなきヒーロー”のうた
RADWIMPSと聞いて思い浮かぶのは、映画『君の名は。』や『天気の子』の壮大なサウンドかもしれません。ですが、彼らの天才的発想能力と言語化能力はそれだけでは語れないと断言してもいい。
2016年リリース「棒人間」は、派手さはないけど、どこかずっしりと胸に残る1曲。まだこの曲を知らない人は非常にもったいない!ぜひ聴いてほしい楽曲なのであなたの5分をこの曲で貸してください!
棒人間=誰かのために立ち続ける人
「棒人間」というタイトルだけでは、どんな曲か想像しにくいかもしれません。
しかし曲が進むにつれて、この“名もなきキャラクター”の姿に、少しずつ感情が重なっていきます。
「僕はただ君の幸せを 何よりも願っている」
まるで物語の主人公でも脇役でもない、誰かのためにそっとそこにいる目立つことのない“影の存在”。
派手に何かを成し遂げるわけではなく、それでも「ここにいる意味」を信じて立っている。
その姿に、誰かを支えることに迷いながらも踏ん張る自分や、大切な人の顔が自然と重なってくることでしょう。
シンプルな言葉と音が、真っ直ぐ心に届く
RADWIMPSのボーカル、野田洋次郎さんが描く世界観は、時に難解だったり詩的だったりして、多くの解釈が飛び交うこともありますが、「棒人間」はその中でも特にストレートな1曲。
音数は少なめで、メロディも飾り立てない。普段のRADWIMPSからはあまり考えられない曲で、他の曲と比べるとその差が生じるている。しかし、むしろその差という“隙間”が、リスナー自身の感情を映し出す余白になっています。
聴けば聴くほど、「あ、これ、自分のことかも」と感じさせる。そんな不思議な力がある曲です。
知られざる名曲として、じわじわと愛され続ける理由
この曲はもともと、NHKのスペシャルアニメ『人間ってナンだ?超AI入門』の主題歌として書き下ろされました。
しかし、アニメを見ていない人の間でも、“ライブで涙が出た”“ふとした夜に聴きたくなる”と、じわじわと支持を集めています。
ストリーミング時代において、再生数が爆発するタイプではないかもしれませんが、聴いた人の心に「しずかに残る」力があるというのは間違いないでしょう。それこそがこの曲の魅力です。
最後に:あなたの中の“棒人間”に出会うために
「棒人間」は、誰の心の中にもいる存在です。
見返りも求めず、ただ誰かを想う気持ち。
大きなことはできないけれど、立ち続けることを選ぶ強さ。
そんな感情に名前をつけたのが、この曲なのかもしれません。
もし、最近ちょっと疲れてしまっているなら。
誰かのために頑張っているけれど、報われない気がしているなら。
一度、この曲を静かに聴いてみてください。
あなたの中にある“棒人間”が、そっと顔を出すかもしれません。
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