菅原圭/シトラス(2022)
匂い立つ感情と、濁る心──
菅原圭 – シトラス (Official Video) – YouTube
言葉を「におい」に変える、新世代ポップスの詩人。
菅原圭は、東京出身のシンガーソングライター。
透明感あるウィスパーボイスと、詩的で繊細なリリックを武器に、日常と感情の「匂い」や「温度」までも描き出す表現力が特徴です。
この教区を聞いてまず感じるのは、空気のようにふわりと漂う音と、感情の揺らめき。
「シトラス」は、恋愛の余韻・未練・矛盾する想いを、まるで香水のように封じ込めた楽曲。
その名前の通り、爽やかでありながら、どこか胸の奥を締めつけるような苦みが残る一曲だ。
☆「なんでもない顔」ができない日々の中で
揺らいでるわ こんな気持ち蓋をしてたのに
何も知らないほど 憎めたのに
恋の終わりを受け入れた“ふり”はしても、
駅前にふと香るコーヒーの匂い、日曜の昼下がりの会話、
そんな断片がふいに、しまっておいた気持ちのフタを開けてしまう。
「何も知らなかったときの方が、まだ冷たくなれた」
そんな言葉の裏には、分かってしまったからこその揺らぎが滲んでいます。
☆強がりの奥に宿る、リアルな弱さ
不安なんてないと わらって
余裕そうにふっと そうじゃないときっと
この部分に滲むのは、恋が終わったあとにしか生まれない「嘘」の切なさ。
わかってる、自分もそうだった。
でも、それでも口にしてしまう“もう大丈夫”という言葉。
それは、誰に対してよりもまず、自分自身に向けたおまじないかもしれません。
☆歌詞の裏に隠された“ことば遊び”──「何回」は「難解」
何年たっても 冷めない夢のよう
壁に張ったそれが 剥がせずに何回の夜か
“壁に張ったそれ”とは、おそらく過去の恋や感情の残り香、思い出、もやもやとした未練の象徴。
本来なら“剥がして捨てる”べきなのに、それができないまま「何度も夜を迎えてしまっている」。
ここでの「何回の夜か」という表現が、
単に「何回目の夜」ではなく、
「難解な夜をいくつも越えてきた」
「簡単に答えが出せないまま過ごしてきた時間」
という意味合いを含んでいると解釈すると、
この曲が抱える“感情の複雑さ”や“未消化な想い”がよりリアルに響いてきます。
☆終わらせた恋は、消えたわけじゃない
菅原圭の「シトラス」は、恋が終わった“後の時間”を描いた楽曲です。
はっきりと終わったはずなのに、
気づけば香りのように“あの人”が蘇る。
そういった小さな残像たちが、
この曲を通して静かに胸に広がっていく
香りのように、あなたの中に残り続けている。
菅原圭の「シトラス」は、そんな曖昧で、でも確かな“余韻”を抱きしめるための1曲。
このやさしくて苦い音楽に、あなたの気持ちもそっと重ねてみてください。
あなたの菅原圭で好きな曲をぜひコメントしていってください!
曲リクエストありがとうございました!!
「菅原圭/シトラス(2022)」への1件のフィードバック
菅原圭さんの曲で一番好きな曲
これが一番落ち着く