I Don’t Like Mondays/「YOROI」
──心の鎧を脱いで、ありのままの自分で生きるために
ファッションと音楽を高い次元で融合させ、国内外で人気を集める4人組バンド I Don’t Like Mondays(アイ・ドント・ライク・マンデイズ)略してアイドラ。そんな彼らが新たに届けたのが、感情の内側をやさしく照らす楽曲「YOROI」です。
この曲は、タイトルの通り“鎧”をテーマに、自分を守るためにまとう心の防具にどう向き合い、どう脱ぎ捨てるかを描いた一曲となっています。
■ 軽快なリズムからサビ前で自信を持てる
「雨上がり、人ごみに紛れ歩く帰り道」という一節から始まり、続く歌詞で東京の夜の街を歩く風景が容易に想像できるこの曲は主人公がありのままの自分を好いていき自信がつきます。
心優しい人間が不利になるこの世界を受け入れるけど、もう少し自分を信じてみたいからこそ動こうとする主人公に心打たれるファンも多いのではないでしょうか。
■ ドレミファソラシドで奏でる歌詞は「涙は未来へのサイン」
「涙が出るのは多分 未来へ向かう好転反応」。この歌詞は、感情が溢れて涙することをネガティブなものではなく、ポジティブな兆しとして肯定しています。落ち込むことや不安になることも、すべては前に進むための準備段階。そうやって自分を少しずつ受け入れていく過程が、やさしいサウンドとともに静かに心に響きます。
■ 鎧を脱ぎ、心で踊る
「今日は歌を歌おうぜ 好きな歌で踊ろうぜ」。これは、誰かの顔色をうかがうことなく、自分の気持ちのままに生きようという呼びかけにも聞こえます。日々の生活のなかで、無意識に着込んでしまった“心の鎧”を脱ぎ捨て、素の自分を解放する──そんなメッセージが、軽やかで心地よいミドルテンポのリズムに乗せて語られています。
■ まだ見ぬ景色へ、一歩を踏み出す勇気
「まだ見ぬ景色が 膝を抱えて僕を待っているから」。この一節に表れているのは、未来に対する恐れと希望が共存する複雑な感情です。未知の世界に足を踏み入れるのは怖い。でも、その向こうにはきっと、新しい自分に出会える景色が広がっている――「YOROI」はそんな背中をそっと押してくれる楽曲です。
■ 誰もがピュアな“少年少女”
中盤に登場する「マスクの下ではみんな 僕らはピュアな少年少女」というフレーズは、現代社会における“仮面”や“演技”の裏にある本当の姿に触れています。どんなに大人になっても、人はみな純粋で、不器用な存在であることを認めることで、自分にも他人にもやさしくなれる。そんな視点がさりげなく込められており、多くの人の共感を呼ぶ部分です。
■ サウンドはやさしく、でも芯がある
音楽的には、エモーショナルなコード進行に、柔らかなビートと浮遊感あるシンセが重なり、心の機微を包み込むような音作りがされています。ボーカルのYUさんが繊細に歌い上げることで、歌詞の一言一言がダイレクトに心に届き、まるで自分の感情が音になって表現されているような感覚に浸れます。
■ 自分を守る“鎧”と、手放す勇気
「YOROI」は、単なる恋愛ソングでも、自己啓発でもありません。日常の中で無意識にまとう“防衛”としての自分らしさ、そしてそれを時には脱ぎ捨ててみることの大切さを、やさしく語ってくれる作品です。
今、心に鎧をまとって生きているあなたへ。
「YOROI」は、あなたのその鎧を責めるのではなく、そっと受け入れてくれる音楽です。ありのままの自分を少しだけ許してあげたくなったとき、ぜひこの曲を聴いてみてください。
かく言う僕も、この曲に背中を押され、人生を前向きにとらえることができた一人です。コロナで何もかもが制限されていたあの頃の鎧を今は夢を叶えるために脱ぎ捨てて生きている(リリースがコロナ渦末期でした)。鎧なんて着ていても進みが遅くなるだけ、さあ、次はあなたが鎧を脱ぐ番だ!